七神〜私と君で咲かす花〜
高校生もここで練習してるんだ…。
「もう帰んの?」
「うん。妹達が居るから」
「そっか。じゃーな」
「バイバイ。頑張って」
颯は「おう」と背中越しに返事をしながら、そのまま道場の中に消えていった。
「お婆ちゃんは?」
お風呂から出た私は、リビングにお婆ちゃんがいないことに気づいた。
「和室」
俊也は宿題に目を向けたまま答えた。
和室か……何してるなかな…。
タオルで頭を拭きながら、和室に続く廊下を歩く。
すると、徐々に楽器の音が聞こえてきた。
〜♪〜♪……
琴……?
和室を覗くと、そこにはやはり、琴を奏でるお婆ちゃんが居た。
「どうしたの?」
琴を弾く手を止めたお婆ちゃんが、此方に優しい笑顔を向ける。
「何か気になって……」