七神〜私と君で咲かす花〜



高校生もここで練習してるんだ…。



「もう帰んの?」



「うん。妹達が居るから」



「そっか。じゃーな」



「バイバイ。頑張って」



颯は「おう」と背中越しに返事をしながら、そのまま道場の中に消えていった。






「お婆ちゃんは?」



お風呂から出た私は、リビングにお婆ちゃんがいないことに気づいた。



「和室」



俊也は宿題に目を向けたまま答えた。



和室か……何してるなかな…。



タオルで頭を拭きながら、和室に続く廊下を歩く。



すると、徐々に楽器の音が聞こえてきた。



〜♪〜♪……



琴……?



和室を覗くと、そこにはやはり、琴を奏でるお婆ちゃんが居た。



「どうしたの?」



琴を弾く手を止めたお婆ちゃんが、此方に優しい笑顔を向ける。



「何か気になって……」



< 146 / 213 >

この作品をシェア

pagetop