七神〜私と君で咲かす花〜



眉を八の字にして笑いながら、私はお婆ちゃんの隣に座った。



「お琴の弾き方、覚えてるかい?」



「もちろん」



お婆ちゃんに場所を変わってもらうと、琴を自分で弾いて見せた。



小さい頃、教えてもらっていた琴。



弾き方は、手がちゃんと覚えてる。



「上出来」



お婆ちゃんは軽く拍手をした。



「……あら?」



障子に目を移したお婆ちゃんは、突然声を上げる。



私も見てみると、障子には猫の影が映っていて。



「!!?」



サクだ……!!!



サクは此方に顔を向けて座っているよう。



どうしよう……。



必死に頭を回転させる。



そうしたら、あることに気づいた。



サクは、普通の人には姿が見えないはず。



何で、お婆ちゃんには見えているのだろうか?



黙って考えていると、お婆ちゃんが口を開いた。



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