七神〜私と君で咲かす花〜
「久しぶりだねぇ。桜美夜行」
「え…?」
今、お婆ちゃん、桜美夜行って言った……?
目を見開きながらお婆ちゃんを見る。
「お婆ちゃん……やっぱり、そこにいる猫が見えるの…?」
「見えるさ。出ておいで、桜美夜行」
お婆ちゃんが言うと、サクはおとなしく障子の影から姿を現した。
「やはり。美鈴か」
サクがお婆ちゃんの名前を呼ぶ。
「何で……お婆ちゃんがサクを知ってるの?」
恐る恐る訊いた。
しかし、返ってきたのは質問に対する答えではなく。
「やっぱり、力のことを知ったんだね?」
「あっ…!!」
しまった、と口を塞ぐ。
サクの事を言うのは、力のことをばらすのと同じことだ。
何て言えばいいか、戸惑っていると、お婆ちゃんは笑い出した。
「桜美夜行のことはよく知ってる。私も、七神だっただからね」