七神〜私と君で咲かす花〜
「……うーん…私は見てないけど…」
やっぱり…。
私の見間違い……?
「……」
しばらく考え込んでいると、美春が口を開いた。
「琥珀、きっと疲れてるんだよ。 最近、勉強に部活の助っ人にって忙しそうだし。その疲れで幻覚が見えたんじゃない?」
美春は優しく微笑みながら言う。
「疲れ……?」
「うんっ」
私が呟くと美春は、「きっとそうだよ」、とまた笑った。
疲れか…。
今は疲れのせいにしていた方が丸く収まるのかもしれない。
でも…。
疲れなんかであんなものが見えるの…?
「……」
やはり、気がかりで仕方ない。
そう思い、また考え始めた時。
――ピンポンパンポーン。
校庭に響く、校内放送の音。
『…生徒の呼び出しをします。一年二組、阪口美春さん。職員室に来なさい。繰り返します―…』