七神〜私と君で咲かす花〜



一方、サクは“この子”という言い方が気に入らなかったらしく、「桜美夜行だ!」などと文句を言っている。



お母さんも、七神。



お母さんもサクを使って戦ってきたんだ。



「本当は、昨夜琥珀が帰ってきたときには、桜美夜行の存在に気づいていたんだ」



「存在に?」



琴を片付け出したお婆ちゃんに首を傾げて聞き返す。



お婆ちゃんは一度頷くと、「月明かりのところで話そうか」なんて言いながら縁側に移動したため、ついて行って私も隣に座った。



そして、話を続ける。



「昨日の夜、急に琥珀の存在が辺りから消えたんだ」



消えた?



「お婆ちゃんは気配が分かるの?」



「標的に神経を集中していれば、この町の範囲くらいだったらどの辺りに居るかは分かるよ。だから、琥珀の気配が消えたとき、慌てて学校に行ったんだ。すると、そこには異空間への入口があった」



異空間……。



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