七神〜私と君で咲かす花〜
あの歪んだ空間のことだ。
「そこで理解したんだよ。琥珀はあの世界に行ったんだって」
お婆ちゃんは立ち上がり、部屋の隅にあったタンスの引き出しを開け、何かを取り出した。
そして、それを私の前に差し出す。
「はい」
「これ……」
お婆ちゃんに差し出されたのは、あっちの世界で颯が着ていた風真の制服だった。
「必要でしょ?」
お婆ちゃんに言われ、私は少し戸惑いながらもしっかりと制服を受け取る。
「風真っていう組織はね、七神という名を隠す為の組織なんだよ」
「隠すって?」
「道場に来た、男の子に言われたんじゃない? 七神ってことを隠す訳」
「あ………」
颯の顔が脳裏に浮かんだ。
『お前の命や力を狙う奴らは山ほどいる』
「危険な人物に気づかれないため……」