七神〜私と君で咲かす花〜



呟くと、お婆ちゃんは「そのとおり」と真剣な表情に変わる。



「風真の一員は“ちょっと特別な力がある人”ということだけ世間に知らされていて、正体が七神ってことは紳衛隊にも知らされていない」



紳衛隊……。



確か、あっちの世界を護衛する、七神以外の人達で組まれた組織。



つまり、私達七神の仲間。



知らなかった、仲間にまで秘密にしてるなんて……。



「仲間にも正体を明かしてないの。分かるでしょ?七神がどれだけ重要な存在なのか」



私は黙って頷いた。



やっと分かった気がする。



あっちの世界に行ったとき、颯が私に七神のことを話そうとしなかった理由。



私がもし危険な組織の一員だったら、七神のことをばらしてしまうことになるから。



私は、そんな七神の一員なんだ……。



「琥珀」



「ん?」



不意に、サクが私の名前を呼んだ。



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