七神〜私と君で咲かす花〜
夜空には、満月よりやや欠けた月と、億千にもなりそうな星が散らばっていて。
「“やっていけるのか”っていう不安はあるけど、どこか安心してる。千尋や颯がいるから、七神は私だけじゃないし。それに『お前を護る』って颯が言ってくれたから」
自然に頬が緩んでいた。
そんな私の表情に、サクとお婆ちゃんは顔を見合わせて目をパチパチとしていて。
「え?何かおかしかった?」
焦って訊くと、「おかしくないよ」とお婆ちゃんは笑う。
「ただ……」
お婆ちゃんは眉を下げてやや何故か困り顔になった。
「今の言葉、本人に聞こえてるのよ」
本人?
一体、誰のことを言っているのか分からなくて、首を傾げると。
「ねえ? 月神君?」
お婆ちゃんが空に向かってやや大きめの声で言った。
「……え? 月神って、まさか……」
「そのまさかだよ」