七神〜私と君で咲かす花〜



「じゃあね」



「ああ。また学校で」



颯に見送られ、私達は異空間の中へ入る。



確か、このあとすぐに、光に包まれて……



ギュッと目をつむる。



しかし、一向に光なんて現れなくて。



あれ……?



目を開けるが、辺りは闇で、ここが現実世界とは考えにくい。



「サク……」



不安になり、サクを見下ろすと、サクは辺りに睨みを効かせていて。



サク……?



静かにサクが口を開き、一言だけ口にした。



「……おかしい」



サクの意見にはとても共感できた。



数回ここを通ってきて、こんなところに立ち止まったことなんてない。



それに――。



―ザワザワ……ザワザワ……。



私にでも分かるほど、気がざわめいている。



その上、何かの気配すら感じた。



「刀を抜け、琥珀」



辺りを睨みながらサクが言う。



< 176 / 213 >

この作品をシェア

pagetop