七神〜私と君で咲かす花〜
「じゃあね」
「ああ。また学校で」
颯に見送られ、私達は異空間の中へ入る。
確か、このあとすぐに、光に包まれて……
ギュッと目をつむる。
しかし、一向に光なんて現れなくて。
あれ……?
目を開けるが、辺りは闇で、ここが現実世界とは考えにくい。
「サク……」
不安になり、サクを見下ろすと、サクは辺りに睨みを効かせていて。
サク……?
静かにサクが口を開き、一言だけ口にした。
「……おかしい」
サクの意見にはとても共感できた。
数回ここを通ってきて、こんなところに立ち止まったことなんてない。
それに――。
―ザワザワ……ザワザワ……。
私にでも分かるほど、気がざわめいている。
その上、何かの気配すら感じた。
「刀を抜け、琥珀」
辺りを睨みながらサクが言う。