七神〜私と君で咲かす花〜
足音がいくつも重なっているから、数人はいるだろう。
ザッザッ……ザッザッ……
―――ザッ。
何かが私達の目の前まで来て、立ち止まる。
そして、暗闇の中から妖化のような化け物が姿を現した。
「これは……!」
サクが目を見開く。
なぜ見開いたかは詳しくは分からないが、理由の1つは、数だろう。
ザッと数えて、何かの50人くらいはいる。
しかもその化け物は、見事に私達の周りを囲んでいて。
「サク、これって一体……妖化なの!?」
数の多さに冷や汗を流しながらサクに訊くと、サクは顔をしかめた。
「いや、違う。コイツらは……ただの悪霊だ」
「悪霊!?」
「妖化になる一歩手前の段階だ。悪霊の中にあるのは憎しみと欲望だけ。この2つが絡み合い、混乱のあまり人間の魂を吸ってしまえば、妖化に豹変してしまう」