七神〜私と君で咲かす花〜



足音がいくつも重なっているから、数人はいるだろう。



ザッザッ……ザッザッ……



―――ザッ。



何かが私達の目の前まで来て、立ち止まる。



そして、暗闇の中から妖化のような化け物が姿を現した。



「これは……!」



サクが目を見開く。



なぜ見開いたかは詳しくは分からないが、理由の1つは、数だろう。



ザッと数えて、何かの50人くらいはいる。



しかもその化け物は、見事に私達の周りを囲んでいて。



「サク、これって一体……妖化なの!?」



数の多さに冷や汗を流しながらサクに訊くと、サクは顔をしかめた。



「いや、違う。コイツらは……ただの悪霊だ」



「悪霊!?」



「妖化になる一歩手前の段階だ。悪霊の中にあるのは憎しみと欲望だけ。この2つが絡み合い、混乱のあまり人間の魂を吸ってしまえば、妖化に豹変してしまう」



< 178 / 213 >

この作品をシェア

pagetop