七神〜私と君で咲かす花〜
サクが見ている方向に目をやれば、1体の悪霊が襲いかかってきていて。
「っ!!!」
私は間一髪でそれを避け、悪霊を切り裂いた。
ブワッとの光が舞い上がる。
「危なかった……」
ホッと一息つこうとすると、またもやサクの声が飛んできた。
「琥珀!!上だ!!」
「えっ?」
見上げると、爪を尖らせた2体の悪霊が私目掛けて降ってきていて。
やばっ!
必死に刀を持ち上げる。
間に合わない――!
颯――っ。
ギュッと目をつむった。
すると――。
「琥珀!!」
え――…?
私の名前を呼んだその声は、サクの声とは違う、低い声。
次の瞬間、私の目の前に黒い影が現れて、私に飛び掛かってきていた2体の悪霊を一瞬にして退治してしまった。
やっとのことで黒い影の正体を知った私は、思わず腰を抜かす。