七神〜私と君で咲かす花〜



「ああ。きっと誰かの仕業だ」



やっぱり、誰かがわざとに……。



「でも、今そんな話をする余裕はねえ!ひたすら走れ!!」



「…っ」



颯に言われ、無我夢中に走った。



少し走ると、遠くに小さな光が見えてきた。



その光が目の前になるまで近づくと、颯から「飛び込め」と指示があり、一斉に光の中に飛び込む。



光を潜った先には、手入れの施された和風の庭が広がっていた。



紳衛隊の制服を着た人達が心配そうにこちらを見つめている。



「ハァ…ハァ…ここは……あやかし界……?」



「どうやら戻ってきたようだな」



荒い呼吸が混ざった私の呟きにサクが続けて言った。



「琥珀!!」



「琥珀ちゃん!」



名前を呼ばれ振り返ると、心配そうに眉を八の字にした里奈と吉乃さんが立っていた。



「2人共……」



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