七神〜私と君で咲かす花〜
「いきなり招集がかかって……行ってみれば“琥珀が異空間に閉じ込められた”って騒いでて……」
「何があったの!?」
里奈に続いて吉乃さんまでもが私に詰め寄る。
正直、私にも何が何だかわかんなかった。
「現実世界への入口がなくて、困ってたら悪霊達が……」
「琥珀」
最後まで説明しようとしていたら、颯に低い声で名前を呼ばれた。
颯の目が“言うな”とでも示すかのように圧をかけている。
ふとそばにいた千尋を見ると、彼の表情にも笑顔はなくて。
颯は千尋とアイコンタクトを交わすと、自室に戻るよう、隊員達に指示を出した。
隊員達が全員庭からいなくなると、私達も颯の部屋に向かった。
「うかつだった…」
部屋に入るなり、颯が申し訳なさそうに下を向く。
誰かの手によって起こったこの事件。