七神〜私と君で咲かす花〜
私が助けられたことで一件落着とはいかないらしい。
「ホント、何やってたんだよ、颯」
颯に文句を言う千尋の声もいつもより低い。
3人とも立ったままの沈黙が続いた。
「無事だったんだから、良しとしようよ」
最悪の雰囲気を醸し出す2人の間に割って入る。
颯は下を向いたままだったが、千尋は「そうだね」と笑顔を見せてくれた。
「てか、琥珀はもうこっちの世界で寝なよ。ちゃんと見張りも付けとくからさ」
「いや、そんな見張りなんて……」
「いいから、いいから。あ、それとも俺が一緒に寝よっか?」
「なっ!?」
千尋がニヤニヤとこちらを見つめる。
何言ってんの!?この変態バカ!!
「ひ……ひとりで寝るっての!」
私は千尋を一度突き飛ばしてから颯の部屋をあとにした。
早足で廊下を歩く。