七神〜私と君で咲かす花〜
まさか……1000本振る気!?
信じられないと思いながらも、黙って彼の練習を見守る。
すると。
――トン、トン、トン……。
「!!」
誰かが廊下を歩く音。
しかもこっちに向かっている。
隠れなきゃ…!
反射的にそう思った私は、来た道を戻り、道場の入口から死角になる角に隠れた。
足音が道場で止まった。
「こんな時間に自主練か?」
この声は……千尋?
よく耳を澄ます。
「……無視すんなよ。聞いてんのー?」
「……聞いてるよ」
颯は木刀を振っている手を止め、呆れたようにため息を漏らした。
「琥珀が危険な目に遭ったのは自分のせい、とか思ってるわけ?」
挑発的に千尋が言った。
「千尋には関係ねーだろ」
颯の声がいつもと雰囲気が違う。
怒っているような、思い詰めているような、……そんな声。