七神〜私と君で咲かす花〜
颯は何も答えない。
「……甘いんだよ、お前は。何もかも。今度また危ない目に遭わせてみろ。ぶん殴るからな」
千尋はそう言うと、颯を掴んでいた手をほどき、道場を出ていった。
道場の中を覗くのをやめ、ぺたりと床に崩れ落ちる。
…え、何?
今日のことって、そんなにヤバかったの?
私って何なの?
何で颯が責められなきゃいけないの?
頭の中が混乱して、渦をまく。
「琥珀?」
突然頭上から声がした。
驚いて顔を上げると、目を見開いてこちらを見る颯。
ドキんと胸が高鳴る。
「何でお前、ここにいるんだよ?」
「えーと……アハハ」
「誤魔化すんじゃねえよ。見張りが居たろ」
「彼らは楽しそうにトークをしていたので、こっそり出てきました」
すると颯は呆れながら深いため息を漏らした。