七神〜私と君で咲かす花〜



「ったく、戦闘以外は使えねえ奴等だな…」



颯が、自分の前髪をクシャッと手で掴む。



「お前……今の話、聞いてた?」



「……うん」



「あっそ…」



「どこ行くの?」



方向転換をして歩き出した颯に、背中越しに訊いた。



「ちょっとな。琥珀も来るか?」



颯が微笑しながら言う。



ここに居てもつまらないと考えた私は、先々進む颯の背中を追いかけた。



颯は外に出て、屋敷の裏に向かった。



そこには長いはしごが屋敷の壁に立て掛けてあって。



颯が登るのに続いて私もはしごを登る。



登った先にあったのは、屋敷の大きな屋根。



「ほら」



颯に手を引かれ、屋根を歩くと、屋根の真ん中辺りで颯が足を止めた。



「ここらかな」



颯が見上げたから、つられて私も空を見上げる。



「わぁ…!! すごい!」



そこにあったのは、満天の星空。



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