七神〜私と君で咲かす花〜



「千尋の言う通りなんだ。琥珀をひとりにしちゃいけないってわかってたんだ……」



「颯……」



俯く颯に、何も言えない。



辛そうな颯の表情に、見てるこっちまで辛くなった。



「……琥珀がいない時、千尋とふたりで七神について調べた。そしたら、七神の力の仕組みが分かったんだ」



「仕組み……?」



聞き返すと颯は頷いた。



「七神の力は、それぞれの石で繋がってた。そして、その力の中心にあるのが、琥珀のその石だったんだ」



「!!!」



「……何でお前の命や耳飾りが狙われたかよくわかったよ。中心奪えば、俺らなんてすぐ潰せるもんな」



「ハハハ…」と脱力したように颯が笑った。



そっか………



だから千尋はあんなに颯を責めて……



妖化や未琴は私を狙ったんだ。



だから、私だけなんだ。



手に力が入り、震える。



< 195 / 213 >

この作品をシェア

pagetop