七神〜私と君で咲かす花〜
「昨日見回りだったんだよ。こっちに帰ったの4時だったから」
「大変だねー…。そういや、私、見回りやったことないかも」
「女子にはさせねーよ。逆に危ねーから」
大きなあくびをする颯を、ジッと見つめた。
“女子”……。
颯が好きだと自覚してから、彼に会う度、彼と話す度、ドキドキが止まらなくなる。
好きって事実が溢れて仕方なくなった。
「……なんだよ?」
私からの視線に気付き、首を傾げる颯。
「なんでもないっ」
我に返った私は、首を振りながら視線をそらした。
颯は“なんなんだ?”とでも言うかのように視線をこちらに送ってくる。
見ないで………!!
赤くなりつつある自分の顔をそっぽを向いて隠しながら祈った。
「おっはよーっ!! 颯!琥珀!」
颯の後ろから、千尋が笑顔で顔を出した。
「うるせーよ…朝から」