七神〜私と君で咲かす花〜
「ナイスシュート、琥珀」
走ってきた同級生の坂口美春が、隣から左手をパーにして自分の肩ぐらいの高さに出した。
私も右手を出し、ハイタッチをする。
「みんな、好きだよねぇ。観戦」
私が言うと、美春が呆れたように答えた。
「しょうがないでしょ。 どこかの誰かさんの男顔負けのプレーがカッコいいんだからねー!」
美春が周りに呼び掛けると、そこにいた女子達は「ねー!!」と声を揃えて言った。
どこかの誰かさん?
「いやぁ、照れるなぁっ」
「うわっ、自信満々っ」
美春がツッこむように言うと、周りにいた子達から、「あはは」と笑いが起こった。
私と美春も一緒に笑っう。
私はこんなふうにバカをするのが好きだ。
バカをすれば嫌な事も忘れられる。
それに、場も和む。
―キーンコーンカーン…
授業も終わり、私は美春達と話していた。
すると…。
「おい」
突然、後ろから低くて太い声。