七神〜私と君で咲かす花〜



「…なれるだろ。お前なら」



「え?」



「…なんでもない」



“お前なら”。



顔が熱くなるが分かった。



と、そんな時。



「あわわ!」



ーガシャン。



突然女の子の声がしたかと思うと、屋上に響く大きな物音。



反射的に音がした入口の方を見ると、そこには1人の女子が倒れていた。



いや、正しくは“転んでいた”か。



「あの子って……」



起き上がった女子の顔を見て目を見開く。



彼女の黒い髪がサラサラと風になびいていて。



「転校生の……!!!」



「えへへ…… 佐伯由紀乃です…」



そう言った彼女を私達はただただ見つめた。



見つめられていることが気になったらしく、「な、なんでしょうか…」と恐る恐る訊いてくる。



「いや……」



千尋がボソッと呟く。



きっと千尋と私は同じことを考えてる。



颯もきっと。



“彼女絶対ドジなやつだ!!”って。




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