七神〜私と君で咲かす花〜



「可能性は高いけど、本物と断定することは難しいな……今は確かめることはできないし…」



そう、本物かどうか調べるには、満月が必要。



「満月の日まで待つか……?」



顎に片手を添えて、考え込む颯。



気づけば千尋も一緒に考えていて、「あっ」と何か閃いたように声を上げた。



「美鈴さん!」



「え?」



「琥珀のお婆さんの美鈴さんなら、月が出てなくても分かるんじゃね!?」



「そんなこと、何でわかるの?」



私が千尋に訊くと、「勘!」とド直球な答えが帰ってきた。



その答えに呆れる颯。



佐伯さんは訳がわからずキョトン顔で。



「じゃぁ、訪ねてみるか?美鈴さんを」



「行っていいかな?」と訊いてきた颯に、もちろんという気持ちを込めて、深く頷いた。



「じゃあ佐伯さん、放課後時間ある?」



「あ、はい」



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