七神〜私と君で咲かす花〜
私の頭の上には、いくつものはてなが浮かんだ。
何故、はてながうかんだかというと。
屋上には何もない。
あると言ったら、3人が座れるくらいのベンチが3つ。
一体、何があると言うのだろうか。
「良いものって何?」
「バーカ、教えたらつまんねーだろうが。それより、いいのか? そろそろチャイム鳴るぞ?」
「えっ」
月神に言われて、スマホを取り出し時刻を確認する。
表示された時刻は、午後の授業が始まる3分前。
「やっば!!!」
急がないと!
「いーじゃん、サボれば」
慌てる私を見て、月神が言った。
「私は今の授業でもギリギリなんだから、サボれば授業に追い付けなくなる!」
「要するに、バカってことか」
「わかってること、言わないでよっ」
後ろから聞こえる月神の声に反応しながらも、ベンチの周りに置いていたものをバッグに詰め込んでいく。