七神〜私と君で咲かす花〜
そう言って、由紀乃は急にピュゥっと口笛を吹いた。
由紀乃?
じっと彼女を見つめる。
すると由紀乃は何かを感じ取ったかのように、自分の目の前に手のひらで器を作った。
と、その時。
「……!?」
突然、由紀乃が出した手の器の上あたりの空間が小さく歪む。
そして、その歪んだ空間から、一匹の小さな生き物が出てきて、由紀乃の手の中にストッと乗った。
白く輝く毛並みに、綺麗な青色の瞳。
見た目からして、猫ではなさそうだ。
「可愛いー!!」
イマイチ何の動物かわかんないけど!
ふわふわした頭を撫でたくて、手を伸ばす。
すると。
―ガブッ。
私の指は見事に白い動物の小さな口の中。
「イッタァァァ!!」
急いで手を振り払った。
その反動で私の指から離れた動物が、ストン、とソファーの傍にあったテーブルの上に乗った。