七神〜私と君で咲かす花〜
校庭でスポーツをしている生徒も化け物の側を歩く人でさえも、何事もないかのよう。
やっと確信した。
あの化け物が“視える”のは、普通ではない。
状況をやっと理解し、化け物をただただ見つめる私の隣で、月神がボソッと呟いたのが私の耳に入った。
「…チッ、なんでこんなところまで…。ったく、面倒なこと、起こしてくれるなよ…」
…どういうこと?
あの化け物について、何か知ってるの…?
「…悪い、俺、急用思い出したから帰るわ」
「ま、待って!」
私は、背を向けて帰り始めた月神を呼び止めた。
「何だよ?」
「どこ…行くの?」
「だから、帰るんだって」
「嘘ばっかり…。本当は、あの化け物のところに行こうとしてるんじゃないの?」
私は化け物を指さしながら言った。