七神〜私と君で咲かす花〜
異空間
「何だったんだろ…」
夜。
私は、湯船に浸かりながら、今日あった不思議なことを振り返った。
手を動かす度に、チャプンとお湯が音を鳴らす。
あのあと、急いで化け物がいたところに行ったけど、すでに化け物の姿は無く、化け物がいたという痕跡すらも無かった。
月神もいなかったため、彼の仕業かどうかもわからない。
「はあ…」
自然にため息が出る。
なんか、今日1日いろんなことがありすぎて…
頭がついていけない…。
「…出よう」
そう呟き、私はお風呂から出た。
鏡の前で、胸の辺りまで伸びた髪をドライヤーで乾かす。
「そういえば…」
お風呂に入る前、イヤリングを外して無かった気がする。
慌てて右耳を確認。
ところが。
「あれっ?」
あるはずのイヤリングが無い。
髪を乾かし終わると、私は急いでイヤリングを探した。