七神〜私と君で咲かす花〜
いきなり明るくなった視界に、思わず目をつむる。
ゆっくりと閉じていた目を開いた。
「…!!?」
一瞬にして目を見開く。
そこには、見慣れた学校の塀なんかなかった。
視界に広がるのは、時代劇のような昔の古い家。
「えっ…ちょ、ちょっと待って…」
一気に頭の中が混乱していく。
好奇心だけで、空間に入り込んだら、とんでもない所に出てきちゃった…。
「なんなの、一体…… 何がどうなってんのおぉぉぉ!!??」
私の叫びは、虚しく空へ響き渡った。
改めて辺りを見渡す。
通りに並ぶのは、お店などではなく、生活感溢れる民家ばかり。
どうやらここは、町というより住宅街のようだ。
「どうしよう…」
私は、好奇心だけで動いた自分を悔やむ。
あの時、危険性を考えていれば…。
「おい」
「っ!!?」