七神〜私と君で咲かす花〜
「い、いきなりあんなことされたら、誰でも驚くって!それに……」
あんな、真剣な顔が近くにあったら……
「それに、何?」
「なんでもない」
「まあ、要するにだ。イケメンでモテる俺に触れて、ドキドキしない女子はいないって言いたいんだな?」
「なんでそうなる……」
私はため息をついた。
誰か、私の真正面にいるドヤ顔をした俺様ナルシストをどうにかして…!!
私は、一度月神から視線をそらしたが、再び月神を見た。
月神は、さっきからずっとニヤニヤしている。
「はぁ…」
「何だよ?」
「別に。ちょっと呆れただけ」
「何だよそれ。心配しなくても、俺が見たかったのはお前の耳飾りだから」
「何それっ!? 別に心配なんか―…え?」
驚いて、月神を見る。
月神の表情は、いつの間にか、真剣な眼差しへと変わっていた。