七神〜私と君で咲かす花〜
「っ!!?」
突然、後ろから声がしたかと思うと、するりと腕が首に巻き付いてきた。
その腕は、間違いなく男性の腕で、驚いた私は…
「きゃー!!」
ドゴッ。
後ろの人に思わずアッパー。
男性の「うぐっ」と言う苦痛の声で、ハッと我に返る。
し、しまった…!!
反射的につい。
恐る恐る後ろを振り返ると、ひとりの男性が倒れていた。
「ったく…」
「なにやってんだよ」と、ため息をつく月神。
しかしそれは、やらかした私ではなく、何故か倒れている男性に言っているようだった。
「女好きもいい加減にしろよ、千尋」
月神が言うと、倒れていた男性は、むくっと急に起き上がった。
「いやぁ〜、まさかアッパーしてくるとは思わなかったよ〜」
「あはは〜」と笑う。
私はそんな彼を、呆然と見ることしかできなかった。