七神〜私と君で咲かす花〜
「“七紳”って何?初めて聞いたんだけど」
わざとらしく笑顔で問う。
すると月神は、「知らねー」と、さらにそっぽを向いた。
コイツ……!!
知らんぷりする気だな?
でも、そっちがその気なら…
「千尋ー、“七紳”って何ー?」
「なっ!?」
声を上げたのは千尋ではなく、月神。
目を丸く見開いている。
私はそんな彼に、べっ、と舌を出して見せた。
「俺が答えないから千尋に聞こうってか?」
「当たり前じゃん。話すなら全部話してよっ」
「その耳飾りが本物かわからないのに、何もかも教えるわけにはいかねーよ」
「何でよ〜??」
どれだけ「教えて!!」と問い詰めても月神は口を開こうとしない。
「……じゃあ、確かめたら?」
「え?」
月神ではなく、千尋が笑顔のまま言った。
この人、いつ普通の表情に戻るのだろうか。