七神〜私と君で咲かす花〜
――プツン。
私の中で、何かが途切れた。
「…あーあ、言っちゃったよ」
私の隣で美春がため息混じりに呟く。
私にはひとつ欠点がある。
どんなに冷静を保っていても、一瞬にして冷静さを失ってしまう言葉があるのだ。
それは……………
“逃げる”。
「…上等だよ」
私は小田を睨んだ。
美春はやってしまった、というような顔をしている。
「どちらかが先制したらそこでゲーム終了で、時間制限無しだ。いいな?」
小田の説明に、私は静かに頷く。
向き合う私と小田の間に、バスケットボールを持った美春が立った。
私達の周りにはいつの間にかギャラリーが集まっていた。
「いくよ? ゲーム、スタート!」
美春が高々とボールを真上に投げた。