七神〜私と君で咲かす花〜




ボールは、一番高いところまで上がると、今度は真下に勢いよく落ちてくる。



パシッ。



その落ちてきたボールを先に取ったのは、小田。



私はすぐさま守りの体制に入った。



小田の運動神経は学年で中間くらい。



でも男女ではやっぱ体格差があるから……。



私は腰を落とし、攻める小田の脇元を抜けるようにしてボールを奪った。



「っ!?」



焦り始めた小田に構わず、私はゴールに向かう。



そして、ゴールの網にボールを通した。



勢いよく入ったボールとゴールのネットが擦れる音。



「そこまで!」



美春がやめをかけた。



すると、わっ、と歓声を上げる皆。



「マジかよ!一瞬で……!」



「すげー!!女子が男子に勝った!」



「すごくかっこよかったよ!琥珀!」



「惚れちゃう!!」

なんて、冗談を交えながら。





< 6 / 213 >

この作品をシェア

pagetop