七神〜私と君で咲かす花〜
ボールは、一番高いところまで上がると、今度は真下に勢いよく落ちてくる。
パシッ。
その落ちてきたボールを先に取ったのは、小田。
私はすぐさま守りの体制に入った。
小田の運動神経は学年で中間くらい。
でも男女ではやっぱ体格差があるから……。
私は腰を落とし、攻める小田の脇元を抜けるようにしてボールを奪った。
「っ!?」
焦り始めた小田に構わず、私はゴールに向かう。
そして、ゴールの網にボールを通した。
勢いよく入ったボールとゴールのネットが擦れる音。
「そこまで!」
美春がやめをかけた。
すると、わっ、と歓声を上げる皆。
「マジかよ!一瞬で……!」
「すげー!!女子が男子に勝った!」
「すごくかっこよかったよ!琥珀!」
「惚れちゃう!!」
なんて、冗談を交えながら。