七神〜私と君で咲かす花〜




「……ふざけんな…」



後ろから、ものすごく低い声が聞こえた。



「どいつもこいつもなめやがって…!」



「琥珀っ!!」



私の後ろを見ながら脅えた声を挙げた美春。



振り返ると、小田が拳を挙げて殴り掛かってきた。



「っ!!? ちょっ…!!」



ここでまさかのバイオレンス!?



避けられない…!



どうしようもできず、目を閉じる。



「キャァァア!!」







………………。



どこからともなく響いた女子の悲鳴とは裏腹に、痛みなど全く感じない。



どういうこと?



私は恐る恐る閉じていた目を開ける。



そこには小田の隣に立つ、ひとりの男子の後ろ姿があった。



……誰?



その男子は、拳を作って上に挙げたままの小田の右手首を、しっかりと掴んでいた。



「タイマンの途中だぞ。邪魔すんじゃねーよ、月神」



< 7 / 213 >

この作品をシェア

pagetop