七神〜私と君で咲かす花〜
千尋に言うと、さっきまでニヤニヤと笑っていた千尋は、いきなり真剣な顔に戻った。
なんだよ…?
首を傾げていると、「耳貸せ」と小声で言い、俺に向かって手招きをした。
「??」
不思議に思いながらも、千尋に近づくと、千尋は耳元で妖化に聞こえないようにボソッとこう呟く。
「……琥珀がここに戻ってきてる」
なっ……!?
「ここで確認したわけじゃないけど、俺がここに向かってるとき、後ろから琥珀もついてきてるのが遠くに見えた」
「くそっ…何やってんだよあいつ……!!」
眉間にシワをよせていると、まぁまぁ、と千尋が軽く肩を叩く。
「一応、見つからないように、ここら一帯を結界で覆って隠した。……颯があの子をここから遠ざけたってことは、何かあるんだろ?」
さすが千尋だ。
勘が鋭いから、誰よりも一歩先を見ている。