七神〜私と君で咲かす花〜
俺は声を低くして、千尋に言った。
「……あいつの耳飾りが何故か狙われている」
すると千尋は、険しい顔をしながらも、「なるほど…」と頷いた。
「まぁ、とりあえずこいつをどうにかしないといけないってわけだ」
千尋も刀を抜き、俺たちは、揃って刀を妖化に向けた。
「……待ちくたびれたぞ」
自分を睨む俺たちを見て、妖化は嬉しそうに口角を上げる。
そして、俺と千尋は妖化に飛び掛かった。
しかし――。
―ザザッ!
草むらの方から、草を掻き分ける音がした。
その事実に驚き、一斉に音がした方を見る。
結界を張ったなら、ここらには俺たちしかいないはずだ。
動物も入れない。
誰だ………?
しばらく草むらを見つめていると、そいつは、物陰から正体を現した。
「!!? お前、なんでここに…!?」