七神〜私と君で咲かす花〜
「お前こそ、よそ見してどうする?」
「っ!!!」
しまった…!!!
反応が遅かった俺は、妖化が投げたトゲのようなものを、全て避けきることができなかった。
トゲのひとつが脇腹に当たる。
「…っ」
トゲが当たったところは、着ていた制服が破れ、布に血が染み込む。
「月神っ!!!」
佐野宮が走り出そうとするのを千尋が止めた。
一方、佐野宮が叫ぶのを見て、妖化は満足そうに笑っている。
「……くそ…っ」
刺さったトゲを無理矢理抜き、ガクッと片膝をつく。
脇腹を押さえる左手は、もう血で赤に染まっていた。
痛みを堪えていると、妖化が俺の元に歩み寄った。
「痛いか?」
「痛いに決まってんだろ」
「分かったような質問すんじゃねーよ」と妖化を睨む。
でも、この痛み、傷だけの痛みではないな。