七神〜私と君で咲かす花〜
傷からくる痛みとは違う、別の痛みがあるのが分かった。
「どうだ? 毒の痛みは?」
毒…だと?
確かに、身体全体が痺れてきている。
「……なるほど。まひさせる毒って分けだな」
俺が言うと、妖化は「分かっているではないか」と鎌を振りかぶった。
避けようと試みるが、身体は全く動いてくれない。
どんだけ強力な毒だよ……!!
妖化はこのまま俺を殺す気だ。
そんなこと、わかってる。
だけど……
「月神ぃ!!!」
少し離れたところから佐野宮が俺の名前を呼んだ。
彼女の方を見ると、必死な表情で千尋の手を振りほどこうとしている。
千尋はそれを妨げることで精一杯のようだ。
「いやだ……やめて……!!」
喉を押し殺すような声で佐野宮が言う。
鎌は、すぐそこまで迫っていた。