七神〜私と君で咲かす花〜
掴み取る力
「……?」
視界が明るくなったのを感じ、静かに瞼を開いた。
何があった…?
頭の中で、記憶をさかのぼる。
確か…、月神達がいるところへ行ったら、月神がやられてて…。
それから、毒付きのトゲが月神の身体に当たって、月神が――……。
そうだ……!!
「月神…!!」
辺りを見回した。
しかし、見回しても、月神はいない。
それだけではなかった。
月神どころか、妖化や千尋、周りにあった土や草さえ消え去っている。
「どういうこと……?」
空も、地面も、何もかもが真っ白。
見渡せば、少し離れたところに満開の大きな桜の木があるだけで、他は何もなく殺風景。
「どこ…?ここ……」
ここがどこなのか、何なのか、さっぱりわからない。