七神〜私と君で咲かす花〜
そして、月神が小田を睨んだ直後、私の目には信じがたいものが写った。
……!!?
月神に巻き付く青い何か。
私にはそれがハッキリ見えた。
な…何なの…!?
どうやら、周りの皆には見えていないようで、これといった反応の変化は無かった。
小田は月神の迫力に言い返せなかったらしく、
チッ、と舌打ちをすると月神が掴んでいる右手を振り放し、荷物を持って数人の男子と一緒に体育館から出ていった。
……ちょっと待って…?
改めて、月神をよく見る。
「えっ…」
いつの間にか、月神の周りにあった、青い“何か”は、跡形もなく消えていた。
気のせいだったのかな…。
小田が居なくなると、集まっていたクラスメートたちもぞろぞろと体育館から出始めた。
………あれ?
気付けば、月神の姿も無くなっていた。
いつの間に…?
隣に居たんだからすぐ分かるはずなのに…
月神…。
あいつは何者なんだろうか――。