七神〜私と君で咲かす花〜



「もう、いろんな人の、辛そうな顔を見ないで済む?」



この問いには、彼女は“もちろん”と答えてはくれなかった。



少し黙って、言った。



「………琥珀次第だ」



「……」



自分次第――。



この言葉が、私の心に火をつけた。



ガチャリと、差し出された刀を掴む。



私の決心を悟ったのか、桜美夜行は私を見ながら目を輝かせている。



「契約……するか?」



初めて、桜美夜行から“契約”という単語を聞いた。



変なの。



これが契約だなんて、あんた、言ってなかったじゃない。



契約ってことは、どうせ何かが付き物だ。



そんなことを考えながらも、契約について、詳しく聞こうとはしなかった。



「…契約、しようじゃない!!」



次の瞬間、周りを、目映い光が包む。



もう、足手まといは嫌だ。



役に立ちたい。



一緒に戦って、護りたい、皆を―――。











< 92 / 213 >

この作品をシェア

pagetop