繋がる空の下、繋がらない電話

 結局、その夜の家に隼也が電話をかけ直して来ることは無かった。
朝、家を出てからメールを一件受信する。


【ごめん。昨日遅くなりすぎてかけ直せなかった】


その言い訳、前にも聞いたよ。
ふてくされながら、電車内で画面を見る。

これだけ繋がらないと、こっちからは電話がしにくい。
毎日挨拶みたいなメールを出してるけど、返事は相槌みたいなものが殆どだし。
なんだか自信がなくなってくる。

まるで私ばかりが好きみたいだ。

告白してきたのは、隼也からだったのに。
近くに居たときは、いつだって私のこと気にしていてくれたのに。

クリスマスの予定も決まらないまま、不安ばかりが降り積もる。


「知らないんだから」


そうよ。もう知らない。
隼也から何か言ってくるまで知らないんだから。

半ばやけになっていた。
この人恋しい季節に、ちゃんと彼氏がいるのに、なぜ一人で寒さに震えていなきゃいけないの。

こんな風に不安になる気持ち、隼也だって味わったらいい。
私を放っておいたら、どうなっちゃうかわからないんだから。


私はこの日から、彼にメールを送るのを辞めた。


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