ヘタレぼりゅーしょん

変なとこ律儀なやつだよな。私の方が悪いのに、気使って下手に出たりして。


天然のお人好しだよ。



「ほんと…調子狂うわ」



「え?なんか言った?」


調子狂うって言ったんだよ。秘めておこうと固く誓ってたはずなのに、揺らぎだしたじゃんか。



「望みか…」



私の、望み。



あんたが叶えてくれるって?



叶えられるもんなら叶えてみなさいよ。




「なに黙ってんの?まだ怒ってんのか…?

だから、彼氏のことは気にすんなよ。

頑張って出来るもんじゃないんだし」




こいつ…冗談とかおふざけ抜きで真面目に私を励ましてる顔だ。

一言多いんだよ。



「じゃあ」



私が彼の目を見据えると、少し怯んだようだった。

そんなに怖い顔をしているのだろうか。


少なくとも女として見られてないな。



自嘲気味な思考に自虐的な行動を


言動をしてしまう。




叶いっこない願いを

一瞬だけでも夢見たくて。
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