ヘタレぼりゅーしょん
「で、こいつに協力してもらおうと思って」


首に巻き付いている日に焼けた彼の腕をかいくぐりながら言う。



「俺でよければイキの良いオスいくらでも紹介するよ~」



あしらわれながらも嬉しそうな笑顔で私に微笑む。


整った顔立ちでそんな無防備に笑われた日には、誰だってイチコロだわ。



まさにキラースマイル。



「あれ、春田さん固まっちゃった。射止めちゃったかな?」



「そんな簡単にほかの男に射止められちゃう女なら、こんなに苦労しないわよね」


遠まわしに誉めてるのかけなしてるのか分からない咲良の言葉に、とりあえずうなずく。



本当のことだし。




私の学校には結構かっこいい男子は多い。

幼なじみの克也だって、生意気なのを除けば、その容姿とワイルドさが女子にウケているらしい。



そんな中で私が好きになったのは、槙野。



学校七不思議にしてもおかしくないくらい、不思議だ。

昔から喧嘩が強くて、男らしくて、日焼けがよく似合う男ばっかり好きになっていたのに。
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