ヘタレぼりゅーしょん
お風呂から上がり、部屋でぼんやり物思いにふけってみる。



片思いを貫いて、高校生活を終えてしまうのもちょっともったいないかな、とは思う。

でもすっぱりと振られるのは怖くて。希望は残しておきたくて。



『今度の日曜あいてる?さっき言ってたみんなで遊ぼうっていう企画、マジで実行するっぽいよ』


簡潔な咲良からのメールに、おずおずと返事する。


とりあえず、OK。



立ち止まってても仕方が無いって、自分でも分かってる。


そんな私を心配して背中を押してきたりする咲良や克也に、これ以上迷惑かけたくないし。



ちゃんと歩き出してみよう。



その方向があってるかどうかなんて、進んでみないとわからないし。


『陽太郎によると、結構筋肉ついててイイ体してんだってさ。がんばれ!』



き、筋肉・・・

思わず生唾を飲む。



いやいやいや!違うだろう咲良さん!!

『一言多い!!』



まったく・・・絶対面白がってる。


メールを送る電波の先で、企むようにニヤリと笑う彼女が絵に描くように想像できた。



< 21 / 37 >

この作品をシェア

pagetop