ヘタレぼりゅーしょん
水野君か…。
昼休みに川瀬君たちと一緒にサッカーしているらしいので、咲良と見に行くことにした。
グラウンドのフェンスにもたれて、ボールを蹴りあっている男子を観察する。
みんな…かっこいいな。
いい具合に日に焼け、惜しげもなく汗を輝かせながら楽しそうに走り回る。
「ほら、今シュートした。あの人が水野君。どう?」
咲良はこっそり指を指し、私をみた。
「どうって…一緒に遊ぶのが恐れ多いくらいかっこよいです」
「でしょ?あ、場所は駅の近くの神社だから」
いきなり何の話かと思って、きょとんとして彼女を見る。
あ、日曜日の話か。
でも、なんで神社?
「あの日、あそこでお祭りがあるんだってさ!浴衣着ていくからね」
祭り?
久しぶりに焼き鳥が食べられる!
…じゃなくて。
「私浴衣持ってないし!」
そういうガラじゃないもん!
首を振って否定しても、咲良はにっこり笑ったままだ。
「姉ちゃんのおさがりあるから。日曜日は2時にウチに集合ね!」