ヘタレぼりゅーしょん
「待っ……、」
「いつまで寝てんだよ、もう掃除だぞ」
ガバッと体を上げる。みんな掃除始めてる。
なんで私は終令をいつも聞き逃すんだろ?
ほっといたら毎日掃除終わるまで…いや、明日の朝まで寝てるんじゃないだろうか。
「春田…お前って掃除がイヤだからいつもこんなに寝てるんじゃねーだろうな?」
声を改めて聞いて、顔をあげると槙野がいた。
「わーーー!!なんでいるんだよ!」
「なんでって…起こさねーと来ないし、教室掃除の奴らに邪魔んなるだろ」
それにしたって…
克也や咲良が起こしてくれたっていいのに!
絶対わざとだ!
「はぁ…」
あの夢の後に本人っていうのがキツい。心臓に悪い。
「そんなに掃除嫌がることねえじゃん。さっさとやって帰るぞ」
「鈍感…」
「誰が鈍感だ!」
スポーツバッグを軽く尻にぶつけられた。
「槙野!痛えだろコノヤロ」
「はは!前のお返し」
一発お見舞い申し上げるために、走って掃除区域まで逃げる槙野を追いかける。