ヘタレぼりゅーしょん

「あーうるさ…」


目を覚ますと掃除が始まっていた。みんなそれぞれ机を下げ始めている。


「由紀掃除どこだっけ?」


「体育館の外…あ」



そういえば、槙野と一緒だったな。今日ばっかりはこの縁を恨む。


「仲直りのチャンスじゃない。頑張りなよ」




頑張るって。


なにをどう頑張れっていうんだ?



できるだけゆっくりと体育館にむかう。
掃除さぼらないだけ、中学に比べたら無駄に真面目になったなと思ったりする。



だってー


1年のはじめから出席番号が近いのもあって、槙野と同じ掃除当番のことが多かったから。




「はぁ…」



体育館前につくと、当直の先生もいなくて、私以外の生徒は持ち場をさっさと終わらせて帰ろうとしていた。


槙野も帰ったのかな。



嬉しいような寂しいような、複雑な気分だ。

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