Place of the fate〜運命の場所〜
「はぁ」
と、薫は大きなため息を吐いた。
「考えてって言ったのに、たった一日しか悩まなかったんだ」
わざとらしくがっくりと肩を落とす薫に、あたしはおどおどとするばかり。
「そんだけ、あの先輩がいいの?」
その問いかけにあたしは、
「うん、優斗先輩が好き」
と答えた。
「ハハッ、即答かよ」
眉根を寄せながら苦笑いをこぼす薫に、だんだんと胸が締め付けられる。
「え、ちょ、なんで歌菜が泣いてんの」
堪えきれなくなった涙が、ポロポロとあたしの頬を伝って落ちていく。
「だ、だってぇぇ、うっ、ご、ごめんねぇ。薫、ごめん~」
「はぁ?何謝ってんの」
呆れたような薫の声が、近づいてくる。