Place of the fate〜運命の場所〜
「てか、謝んないでよ。余計惨めになるから」
ポン、と薫の手があたしの頭の上に乗った。
「うっ、ごめ、いや、ちがくて、ひっぐ」
「まぁ、歌菜が先輩選ぶってことくらい、わかってたよ」
今度は呆れたような声ではなく、優しい声でそう言った薫。
「ってか、俺選んでほしいって思ったけど、よく考えたら先輩から俺に乗り換えたりする歌菜は好きじゃねぇわ」
見上げた薫の表情は、とても優しかった。
その時、ガラッと音を立てて空き教室のドアが開いた。
そこには優斗先輩の姿が。
・・・・・や、やばいっ!!
この状況見て、絶対誤解する!!!
「優斗先輩、これはちがっ、」
あたしが弁解を始めようとしたとき、
「もういい?」
と優斗先輩が言った。