Place of the fate〜運命の場所〜

その表情は、怒っているわけでもなく、かと言って機嫌が良さそうなわけでもなかった。




「はいはい。もう終わりましたよ」




そう言ってあたしの頭から手を離す薫。




「あぁ、先に先輩には言ってあったんだよ」




キョトンとしているあたしに、薫が説明する。




「え、でも先輩なんで場所が・・・・・?」




「薫くんから聞いてたよ」




その言葉に薫は、




「あー・・・・・」




と気まずそうな声を出した。




「先輩にはこの場所伝えてたけど、ぶっちゃけ今日くらいって思って一緒に帰ろうとしたんだよ。だから帰りながら聞くって言ったのに、歌菜が言うって言うからさ」




そういうと、呆れたように笑う優斗先輩。




「ま、騙したことくらい許してよ。どうせこれからイチャつくだろうし」




「イチャ・・・・・!?」




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